経費精算のチェック項目一覧。AI自動化と本人への確認作業
機械が拾える項目と残る判断
執筆 AX BPO編集部監修 黒﨑悠一
経費精算のチェックを自動化する際、機械が拾える項目は多いものの、AIやシステムを入れるだけでは、要確認の申請の判断や本人への確認、例外の判断は社内に残ります。業務ごと預ければ、自動化の仕組みからこぼれる判断と例外は、専任スタッフが処理します。完全自動化して業務ごと預ける場合の費用は月額10万円から(目安)で、業務の内容と件数により異なりますが、設計・構築、ツールの利用料、運用保守、判断と例外の処理を含みます。
経費精算のチェックポイント
弊社が読んだ8本の解説記事には、2つの型があります。チェック項目を並べて課題を挙げ、経費精算システムの導入で締める型と、AIやシステムでできることや選び方を並べる型です。どちらも、AIやシステムが要確認と付けた後は担当者が確認する、規程が変わったらルールを直すという一文で閉じられることが大半です。要確認の申請を社内の誰が見て本人に確かめ差し戻すのか、その人が休んだときにどうなるかまで書き、業務ごと外に預ける形と並べて比べた記事は、弊社が読んだ範囲では見当たりません。
経費精算で経理が確かめる項目は7つです。
- 申請の内容: 日付・金額・費目(勘定科目)・支払先・目的が書かれているか、領収書と合っているか。
- 領収書(証憑): 添付されているか、宛名・日付・金額・内容が読めるか。インボイス(適格請求書)が要る経費か、帳簿のみの保存で済む経費か。
- 社内規程との照合: 上限額、使える交通手段、出張の日当、交際費の扱いなど、規程に沿っているか。
- 交通費の経路: 経路と運賃が合っているか、通勤定期の区間と重なっていないか。
- 二重申請: 同じ領収書・同じ利用を前にも申請していないか。
- 承認の経路: 決められた上長の承認を通っているか。
- 勘定科目と税区分: 費目と税区分の当て方が合っているか。
チェックを通った申請は仕訳と支払いに進みます。仕訳の自動化で残る作業は仕訳自動化で消えない作業。ルールの保守と例外の担い手にまとめています。
帳簿のみで済む経費と領収書
経費精算のチェックでは、その経費が帳簿のみの保存で済むものか、領収書の保存が要るものかを見分ける作業が加わります。国税庁のタックスアンサー No.6497 は、「仕入税額控除の適用を受けるためには、法定事項が記載された帳簿および請求書等の保存が要件とされています。」と書きます。帳簿の記載事項は、課税仕入れの相手方の氏名または名称、課税仕入れを行った年月日、課税仕入れに係る資産または役務の内容、課税仕入れに係る支払対価の額です。
一方で、請求書等の交付を受けることが困難な一定の課税仕入れは、一定の事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます。その中に、適格請求書の交付義務が免除される税込価額3万円未満の公共交通機関による旅客の運送や、従業員等に支給する通常必要と認められる出張旅費等(出張旅費、宿泊費、日当および通勤手当)が含まれます。基準期間における課税売上高が1億円以下または特定期間における課税売上高が5,000万円以下の事業者が、令和5年10月1日から令和11年9月30日までの間に行った課税仕入れについて、その金額が税込1万円未満であるものも、帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます。帳簿はその閉鎖の日、請求書等は受領した日の属する課税期間の末日の翌日から2か月を経過した日から7年間保存します。
出典: 国税庁 タックスアンサー No.6496「仕入税額控除をするための帳簿及び請求書等の保存」、No.6497「仕入税額控除のために保存する帳簿および請求書等の記載事項」
どの経費をどう処理するかは貴社と顧問の税理士が決めます。帳簿のみの保存で済む経費でも、社内規程で領収書を求めるかどうかは貴社が決めることです。
紙で受け取った領収書をスキャナなどで電磁的記録に記録する場合には、一定の要件の下で、その電磁的記録の保存をもって国税関係書類の保存に代えることができます。電子取引を行った場合には、一定の要件の下で、その電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存しなければなりません。スキャナ保存は任意であり、電子取引の電磁的記録は保存しなければならないため、チェックの手順を組む前に領収書がどの形で届くかと保存方法を分けておく必要があります。
出典: 国税庁「電子帳簿保存法の概要」
機械が拾える項目と残る判断
機械が拾いやすい項目と、人の判断が残る項目があります。領収書の読み取りや、申請の金額と領収書の金額の突き合わせ、規程の上限額との照合は機械が拾いやすい項目です。過去の申請との重複、経路と運賃の照合、承認の経路の確認といった数値や登録された決まりと照らせる項目も機械が拾えます。領収書や請求書の読み取りの後に残る確認は請求書の読み取りAI導入後に残る確認作業にまとめています。
機械が要確認にした申請を見て、問題ないか差し戻すかを決める判断は人に残ります。その支出が業務に必要だったかの判断や、規程に書かれていない例外を認めるかも人が決めます。交際費の相手や目的のように書類だけでは判断できず、申請した本人に事情を確かめることも残ります。機械が問題なしとした申請にも読み取りの誤りや規程の当てはめの誤りは残りうるため、どこまで抜き取りで見るかを決める作業も要ります。誤検知が多いと確認の件数が減らないため、判定の基準を調整する作業も発生します。
要確認の申請を誰が確かめるか
要確認の申請を見る人、本人に確かめる人、差し戻すかどうかを決める人を決めておかないと、要確認の申請が締め日まで残りやすくなります。経理が1〜2人の会社では、チェックと本人への確認を同じ人が持つことが多く、その人が休むと締め日の前後のチェックが止まりやすい傾向にあります。どの申請をなぜ差し戻したかの判断が、その人の頭の中にしかないこともあります。確認の順番と差し戻しの理由の決まりを文書にしておく、代わりの人を決めておく、という方法があります。
規程が変わったときのルールの直し
上限額や日当、使える交通手段などの社内規程が変わると、システムやAIの判定のルールも直す必要があります。直さないと、古い規程で判定を続けます。税の扱いが変わったときも、帳簿のみで済むかの見分けの決まりを見直す作業が出ます。判定のルールを直せる人が社内に1人しかいないと、その人がいないときに直せません。
自動化と外注の4つの方法を比べる
方法を比べるときは、月の申請の件数と締め日の前後に偏るか、紙の領収書の割合と電子の領収書の割合を見ます。規程が変わる頻度と例外がどれだけあるか、要確認の申請を見て判断し判定のルールを直せる人が社内にいるか、その人が休んだときに代われる人がいるかも比べるときの基準になります。どの方法を選んでも、要確認の申請の判断と例外と判定のルールの直しは残ります。
| 方式 | チェックのしかた | 要確認と例外を誰が持つか | 社内に残る作業 | 合う場合 |
|---|---|---|---|---|
| 目視のまま | 経理の担当者が申請を1件ずつ領収書と規程に照らす | 経理の担当者 | チェック・本人への確認・差し戻しのすべて | 申請の件数が少なく、規程が単純 |
| 経費精算システムの自動チェック | 登録した規程と照らして、上限や重複を申請の段階で知らせる | 経理の担当者と承認者 | 知らせが出た申請の確認、規程が変わったときの設定の直し、例外の判断 | 申請の多くが交通費などの決まった型で、設定を直せる人がいる |
| AIの点検を入れる | AIが申請を点検し、疑いのあるものを理由とともに知らせる | 経理の担当者 | 知らせの確認、本人への確認、誤検知の多いときの基準の調整 | 申請の件数が多く、知らせを見て判断する時間を取れる人がいる |
| 業務ごと預ける | 弊社がAIエージェント・OCRなどを組み合わせてチェックし、例外も処理する | 弊社(最終可否の判断は貴社) | 情報の連携と、承認や差し戻しなどの最終可否の判断 | チェックと例外の処理を見る人が社内にいない |
この表は弊社の整理であり、合う場合は一般の傾向です。
業務ごと預けるときの作業と費用
経費精算のチェックを自動化したいが、AIやシステムが要確認にした申請を見て判断し、判定のルールを直す人が社内にいない会社が外に預ける場合、AX BPOに業務ごと預けると、弊社がAIエージェント・OCR・RPA・iPaaS・GAS・VBA・Pythonを組み合わせて要確認の申請の確認と判定のルールの保守、例外の処理を引き受け、貴社の作業は今のやり方を見せることとテスト運用の結果を確かめることの2つで、承認や差し戻しの最終可否の判断は貴社に残り、設計・構築から運用保守までを含めた費用を月額のみで提供します。サービスの全体はAX BPOとはにまとめています。
経費精算システムやAI、OCR、Excelのどれを使うかを貴社が決める必要はありません。弊社が業務ごとに組み合わせを決めます。紙・FAX・メール・Excel・基幹システムのまま、freee・マネーフォワード・弥生会計・奉行クラウド・kintoneなど今お使いのツールのまま引き受けます。領収書と申請の突き合わせ、規程との照合、例外処理、目視確認、修正、マスタ更新は弊社が引き受けます。要確認の申請は、メール・チャットでお知らせします。
規程に無い例外を認めるかなどの最終可否の判断は貴社に残ります。電話応対のように即時の応答が必須の業務と、貴社の経営判断そのものはお引き受けしていません。規程の改定などで業務のやり方が変わったときは、変更を伺い弊社が設計を更新します。責任の分け方として、弊社は遂行の正確性を持ち、貴社は情報の連携と最終可否の判断を持ちます。契約を終えるときは、運用中に整理した工程や判断基準、例外の処理ルールを渡せます。
依頼いただいてから動き出すまでには、ご相談(無料)、ヒアリング、お見積もり、テスト運用、本番運用の5段階があります。貴社の作業は、ヒアリングで今のやり方を画面共有で見せていただくことと、テスト運用の結果を確認いただくことの2つです。マニュアルや仕様書の作成はお願いしていません。1つの業務から頼むことができ、最短1ヶ月で本番運用を開始できます。初期費用は原則かからず、お見積もりはヒアリングの翌営業日にお出しします。
よくある質問
Q. 業務ごと預けて自動化する場合の費用はいくらですか
月額10万円から(目安)です。業務の内容と件数により異なりますが、設計・構築、ツールの利用料、運用保守、判断と例外の処理を含みます。初期費用は原則かからず、見積もりはヒアリングの翌営業日にお出しします。無料相談で承ります。
Q. 経費精算で対応できないことはありますか
電話応対のように即時の応答が必須の業務と、貴社の経営判断そのものはお引き受けしていません。承認や差し戻しなどの最終可否の判断は貴社に残ります。
Q. 3万円未満の公共交通機関は領収書が要りますか
適格請求書の交付義務が免除される税込価額3万円未満の公共交通機関による旅客の運送は、一定の事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます。社内規程で領収書を求めるかどうかと、どう処理するかは貴社と顧問の税理士が決めます。
Q. 紙の領収書をスキャナで読み取って保存できますか
一定の要件の下で、スキャナで電磁的記録にして保存に代えることができます。一方で、メールなどで受け取った電子の領収書は、一定の要件の下で、電子のまま保存しなければなりません。
Q. テスト運用の結果はどのように確かめますか
2〜4週間のテスト運用で弊社が実際に処理し、貴社は結果に間違いがないかを確認します。貴社の作業は今のやり方を見せることとテスト運用の結果を確かめることの2つで、マニュアルや仕様書は要りません。
経費精算のチェックを自動化するなら
対象の業務が絞れていない段階でも構いませんので、業務の概要と困っている点を伺うご相談から無料で承ります。
監修
株式会社Generative Partners 代表取締役 黒﨑悠一
4社を創業し、2度のM&Aを経験。2021年に創業したWANDが東証プライム上場のファンコミュニケーションズのグループに入り、同社の執行役員を務めた。2026年にGenerative Partnersを創業し、9月にAX BPOの提供を始めた。
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