入金消込の自動化。照合できない例外入金の処理と防ぎ方
執筆 AX BPO編集部監修 黒﨑悠一
弊社の整理では、入金消込を自動化する方法には、Excelの関数やマクロ、会計ソフトの自動消込、専用のシステム、業務ごと外に預ける形の4つがあります。どのツールを入れても照合できない入金は残り、その確認を社内の誰が持つかを決める必要があります。弊社に業務ごと預ける場合、自動化の仕組みからこぼれる判断と例外は、専任スタッフが処理します。費用は月額10万円から(目安)で、業務の内容と件数により異なりますが、設計・構築、ツールの利用料、運用保守、判断と例外の処理を含みます。
自動化しても残る例外の種類
解説記事では、照合できなかった入金だけを人が確認すると一文で閉じるものが多い傾向にあります。弊社の整理では、自動化しても残る入金は次の6種類に分かれます。
- 名義違い: 請求先と違う名義で届いた入金。機械は過去の消込や名義の一覧表から候補を出せます。どの取引先かを確定し、名義の一覧表に足すのは人の判断です。
- 合算入金: 何件分かの請求をまとめた入金。金額の組み合わせから候補は出せますが、同じ合計になる組み合わせが2つ以上あると決められません。
- 手数料差引: 振込手数料を差し引いて届いた入金。差額が手数料の額と一致するかを照らせますが、差額を誰が負担する約束かは取引条件を見て決めます。
- 一部入金: 請求額に満たない入金。どの請求にいくら充てるか、残りを取引先にどう確かめるかは人の判断です。
- 過入金: 請求額より多い入金や二重の入金。返すか次の請求に充てるかは、取引先に確かめて決めます。
- 名義不明: どの取引先からの入金か分からないもの。取引先への問い合わせが要ります。
業務を外に頼む場合も、例外の処理を誰が持つかを取り決める必要があります。受発注の入力代行は例外処理を誰が持つかで別の業務の例を挙げています。
振込名義と金額がずれる理由
振込の依頼人名は振り込む側が変えられ、カナの文字数や使える文字にも決まりがあるので、略称や部署名、個人名、別会社の名義で届くことがあります。名義と請求先が一致しないと、金額が合っていても機械はどの請求の入金かを決められません。
三井住友銀行のSMBCダイレクトでは、振込の依頼人名は変更することができます。入力できるのはカタカナや英数字、決まった記号で、最大48文字です。濁点、半濁点、記号も一文字として数えます。促音や拗音は入力できず、確認画面では自動的にツ、ヤ、ユ、ヨと表示されます。全国銀行協会によると、これまでは振込電文に添付できる金融EDI情報はそのデータ容量が固定長形式・最大20桁に制限されていました。大量の振込を受け取った企業では、売掛金と入金額が合わない、どの取引の入金かわからないなどのトラブルが発生しやすいと同協会は書いています。
振込手数料を差し引いた入金を消し込むときは、差額をどちらが負担する約束かと、差額をどう処理するかを決めておく必要があります。どの処理を選ぶかは貴社と顧問の税理士が決めます。
国税庁によると、インボイス発行事業者が国内で行った課税資産の譲渡等について、返品や値引き、割戻しなどの売上げに係る対価の返還等を行った場合には返還インボイスの交付義務がありますが、その金額が税込1万円未満である場合には、返還インボイスの交付義務が免除されます。売手が負担する振込手数料相当額を売上値引きとして処理している場合には、通常、当該振込手数料相当額は1万円未満となるので、返還インボイスの交付義務が免除されます。売手が負担する振込手数料相当額を課税仕入れとして処理している場合には、金融機関や取引先から受領するインボイスが必要となります。
照合できなかった入金の処理手順
照合できなかった入金は、種類ごとに分けて一覧にします。機械が出した取引先や請求の候補を確かめ、確定できるものは消し込みます。一部入金や過入金、名義不明など、取引先への確認が要るものは、確認する点をそろえて確認し、結果で消し込みます。
確定した名義を名義の一覧表に足し、次の月から同じ名義が照合されるようにします。月末までに確定しないものは、残っている理由と一緒に一覧で残します。
照合できない入金を減らす手立てとして、請求書に会社名や請求書番号を入れてほしいことを書いて取引先に頼む方法があります。守るかは取引先次第です。2018年12月25日に稼働を開始したZEDI(全銀EDIシステム)で請求書番号などを付けて振り込んでもらう方法も、取引先の振込のシステムがZEDIを使える場合に選べます。
振込手数料をどちらが負担するかを取引条件で確かめ、取引先ごとに記録しておきます。また、確定した名義を名義の一覧表に足し続けます。どれをしても照合できない入金はなくなりません。減らせますが、確かめる人は要ります。
自動化の4つの方法と社内に残る作業
解説記事では、Excelの関数やマクロ、会計ソフトの自動消込、専用のシステム、AIの方法が挙がっています。Excelの記事は、VLOOKUP、SUMIF、IFなどの関数とマクロで照合する手順を示し、件数が増えると限界が来るのでシステムに移ると続けています。AIの記事は、名義の表記ゆれや略称を過去の消込から推測して候補を出す点をルールで照らす方法との違いにしています。
弊社の整理では、方式ごとに社内に残る作業は次の表に分かれます。
| 方式 | 照合の仕方 | 照合できなかった入金を持つ人 | 社内に残る作業 | 合う場合 |
|---|---|---|---|---|
| Excel の関数・マクロ | 金額と名義を関数やマクロで照らす | 経理の担当者 | 明細の取り込み、照合できない入金の確認、取引先への確認、関数やマクロの直し | 入金件数と取引先が少なく、関数やマクロを直せる人が社内にいる |
| 会計ソフトの自動消込 | 登録したルールや過去の消込から候補を出す | 経理の担当者 | 候補の確定、照合できない入金の確認、取引先への確認、ルールの更新 | 会計ソフトを既に使っていて、名義違いや合算入金が少ない |
| 専用のシステム・AI | 名義の表記ゆれ・合算・手数料差引の候補を出す | 経理の担当者 | 候補の確定、一部入金や過入金の判断、取引先への確認、設定の更新 | 入金件数が多く、システムを運用する担当者を置ける |
| 業務ごと預ける | 弊社が組んだ仕組みで照らし、照合できない入金の確認まで弊社が処理する | 弊社(最終可否の判断は貴社) | 情報の連携と最終可否の判断 | 消込を社内で持つ人を置けない、担当者が休むと消込が止まる |
表は弊社の整理で、合う場合は一般の傾向です。取引先への確認を誰がするかは、どの方式でも社内の決まりと契約によります。
関数を直す作業については、Excelデータ転記の自動化。例外は誰が直すかにまとめています。
件数と例外の割合による選び方
月の入金件数と取引先の数、名義違いや合算入金、手数料差引、一部入金がどれだけ混ざるかで方法を選びます。ツールを入れると照合は速くなりやすい傾向にあります。照合できなかった入金の確認は社内に残ります。
照合できなかった入金を確かめ、取引先に確認する人を社内に置けるかを見ます。担当者が休んだときに代われる人がいるか、関数やマクロ、ルール、設定を直せる人が社内にいるかも選び方の基準になります。
社内に置くか外に預けるかを比べるときは、事務の外注費用。4つの料金型と見積もり外の時間もお読みいただけます。
例外処理を外注へ預ける方法
入金消込を自動化したいが照合できない入金を見る人が社内にいない場合、弊社がAIエージェント、OCR、RPA、iPaaS、GAS、VBA、Pythonを組み合わせて設計・構築し、照合できなかった入金の確認、例外処理、目視確認、修正、マスタ更新(名義の一覧表の更新)まで引き受けます。設計・構築、ツールの利用料、運用保守、判断と例外の処理は月額に含みます。貴社の作業は今のやり方を画面共有で見せることとテスト運用の結果を確かめることの2つで、情報の連携と最終可否の判断は貴社に残り、完了した仕事をお返しします。
Excel、会計ソフト、専用のシステム、AIのどれを使うかを貴社が決める必要はありません。弊社が業務ごとに組み合わせを決めます。freee、マネーフォワード、弥生会計、奉行クラウド、kintoneなど、今お使いのツールのまま、紙やFAX、メール、Excel、基幹システムのままお預かりします。
依頼してから動き出すまでは5段階です。最短1ヶ月で本番運用を開始できます。
- ご相談(無料): 業務の概要と困っている点を伺います。対象の業務が絞れていない段階でも構いません。
- ヒアリング(1回・60分): 実務の担当者に、画面共有で今のやり方を見せていただきます。
- お見積もり(翌営業日): その業務に今かかっている工数と費用と、導入後の月額を並べてお出しします。
- テスト運用(2〜4週間): 弊社が実際に処理し、貴社は結果に間違いがないかを確認します。
- 本番運用: 稼働を監視し、業務のやり方が変わったときは設計を更新します。
マニュアルや仕様書の作成はお願いしていません。1つの業務から頼むことができ、初期費用は原則かかりません。
運用開始後、業務のやり方が変わったときは変更を伺い、弊社が設計を更新します。月額の範囲で追随できる変更が大半で、工程が大きく変わる場合は改めて見積もります。責任の分け方として、弊社は遂行の正確性を担います。契約を終えるときは、運用中に整理した工程、判断基準、例外の処理ルールをお渡しできます。
電話応対のように即時の応答が必須の業務と、貴社の経営判断そのものはお引き受けしていません。詳しくはAX BPOとはにまとめています。自社に合うかをお確かめになる際は、無料相談をご利用いただけます。
よくある質問
Q. 業務ごと預けて自動化する場合の費用はいくらですか
月額10万円から(目安)です。金額は業務の内容と件数により異なりますが、設計・構築、ツールの利用料、運用保守、判断と例外の処理を含みます。初期費用は原則かかりません。ヒアリングの翌営業日にお見積もりをお出ししますので、無料相談で伺います。
Q. 自動化しても残る例外の入金にはどんなものがありますか
弊社の整理では、名義違い、合算入金、手数料差引、一部入金、過入金、名義不明の6種類があります。機械が過去の消込から候補を出せるものと、取引先に確かめる必要があるものに分かれます。
Q. 振込名義の表記ゆれはAIでどこまで照合できますか
過去の消込や名義の一覧表から推測して候補を出すことができます。候補からどの取引先かを確定し、名義の一覧表に足すのは人の判断になります。
Q. 照合できなかった入金は社内の誰が確認しますか
ツールを入れて社内で回す方法では、経理の担当者に残ります。業務ごと預ける場合は弊社が確認と例外の処理を持ち、最終可否の判断は貴社に残ります。
Q. 預けた業務の中で対応できないことはありますか
電話応対のように即時の応答が必須の業務はお引き受けしていません。貴社の経営判断そのものもお引き受けしていません。
入金消込の自動化と例外処理をお預かりします
対象業務が絞れていない段階のご相談から無料で承りますので、自社に合うかをお確かめになる際にご利用いただけます。
監修
株式会社Generative Partners 代表取締役 黒﨑悠一
4社を創業し、2度のM&Aを経験。2021年に創業したWANDが東証プライム上場のファンコミュニケーションズのグループに入り、同社の執行役員を務めた。2026年にGenerative Partnersを創業し、9月にAX BPOの提供を始めた。
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