RPAのAI置き換えで保守の手間と社内の作業はどう変わるか
執筆 AX BPO編集部監修 黒﨑悠一
RPAをAIに置き換えても、社内の作業は出力の確認や指示の直しに入れ替わります。保守から降りる方法として、弊社に業務ごと預ける完全自動化があり、費用は月額10万円から(目安)で、業務の内容と件数により異なります。設計・構築、ツールの利用料、運用保守、判断と例外の処理を月額に含み、自動化の仕組みからこぼれる判断と例外は、専任スタッフが処理します。
ロボットの修正とAIの出力確認
RPAをAIに置き換えると、社内の作業は出力の確認や指示の直しに入れ替わります。
弊社が読んだ10本の解説記事の多くは、AIはRPAを置き換えるのではなく補い、組み合わせて使うという結論です。役割を、AIが判断しRPAが手を動かすとたとえる記事が多く、重要な判断や取り消せない操作の前は人が承認し、出力は人が確かめると書かれています。
RPAの弱点として、画面や仕様が変わると止まること、例外に弱いこと、そのたびに直す保守が要ることが挙がります。AIの注意点として、従量課金のコスト、同じ入力でも出力がゆらぐこと、もっともらしい誤り(ハルシネーション)、既存のRPAへの投資が挙がります。
弊社の整理では、ロボットのとき社内に要る作業は、画面や手順が変わって止まったロボットを直す、例外で止まった件を手で処理する、ロボットを作る・直せる人を社内に置くことです。AIに置き換えたとき社内に要る作業は、AIの出力に間違いがないかを確かめる、AIが処理できない件を処理する、業務の決まりや取引先の書式が変わったときにAIへの指示や参照するデータを直す、AIが使う画面やつなぎ方が変わったときに直すことです。
置き換えで減りやすいのは、書式のばらつきで止まる件です。増えやすいのは、出力を確かめる作業です。AIに置き換えても、AIが操作する先の画面やシステムが変われば、直す作業は残ります。社内の作業はなくならず、作業の種類が入れ替わります。どちらにしても、直せる人・確かめる人が社内に要ります。
RPAの効果が出ない理由についてはRPAの効果が出ない理由と残る業務の行き先にまとめています。
生成AI・AI導入の今の課題
AIや生成AIを導入する企業は増えていますが、業務への組み込みと人材の確保に課題があります。
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の「DX 動向 2026」では、生成AIを導入している企業の割合が2024年度の22.6%から2025年度の44.0%に伸びました。生成AIを導入・試験利用・利用の検討をしている企業において、部署の業務プロセスに組み込まれているのは11.9%、全社的なサービスに組み込まれているのは18.6%にとどまります。
AIエージェントの利用は、いずれの部署でも低水準にとどまっています。AI導入・運用上の課題は「専門人材が不足している」が50.1%で最も高いです。
また、デロイト トーマツ ミック経済研究所の調査では、RPAソリューションサービスの総市場は2024年度実績999億円、2025年度見込1,114億円、対前年比111%です。RPAが使われなくなっているとは言えません。
IPAの数字は生成AI・AI全体の調査で、RPAからの置き換えを聞いた調査ではありません。日本企業へのアンケートは経営層またはICT関連事業部門が対象で、1,799社から有効回答を得ています(調査期間は2026年4月中旬から6月中旬)。
高頻度な処理でのコストの比べ方
処理の件数によって、AIエージェントのコストはRPAよりもかさむことがあります。
Gartnerの翻訳記事には、「ほとんどの組織は既存のRPAやBPAソリューションを置き換えていない。」とあります。Gartnerの見立てでは、「高頻度のプロセス実行では、AIエージェントのコストはRPA botの30倍に上る可能性もある。」と書かれています。
そのため弊社の整理では、件数が多く手順と画面が決まっている業務は、ロボットのまま動かします。またGartnerの見立てでは、「従来の自動化が十分な効果を発揮しない高価値で低頻度のユースケースに重点を置いて、AIエージェントの能力を探求していく必要がある。」と書かれています。
Gartnerのアナリストの見立てを@ITが翻訳した記事で、調査の数値ではありません。
置き換え後の例外処理を受ける人
置き換えで発生する例外を誰が処理するかは、前もって決めておく必要があります。
弊社が読んだ解説記事の範囲では、置き換えた後の例外を誰が受けるかを書いた記事や、確認・例外・保守まで含めて業務ごと外に預ける形と並べた記事はありませんでした。
例外を処理する人の候補は、社内の担当者か預けた先です。AIが処理できない書式が違う・項目が欠ける・決まりに当てはまらない例外について、社内で受けるなら誰がどの件を持つかを決めておきます。弊社の整理では、担当を決めないと元のRPA担当者に作業が戻りやすくなります。
今のロボットをどう振り分けるか
今あるロボットをどう振り分けるかは、件数と判断の有無で決めます。
弊社の整理では、社内で方式を比べるために以下の点を書き出します。
- 月の件数
- 判断の要る件や書式のばらつきが多いか
- 間違えたときの影響
- 業務のやり方がどれくらいの頻度で変わるか
- 止まったときに直せる人が社内にいるか
件数が少なく、書式のばらつきや判断が多く、ロボットでは止まりやすい業務は、AIに移す候補です。ロボットでもAIでも、止まったときや例外を社内で持つ人がいない業務は、業務ごと外に預ける候補です。使われなくなった業務を受け持つロボットは、止めます。
製品の乗り換えの仕分けはRPA乗り換え・Power Automate移行の仕分けと行き先で書きました。
自動化の方式と例外の持ち手比較
誰が直しと例外の処理を持つかで、自動化の方式を分けます。弊社の整理で、方式ごとに直す人と例外を処理する人を並べます。
| 方式 | 止まったときに直す人 | 例外を処理する人 | 社内に残ること | 合う場合 |
|---|---|---|---|---|
| ロボットのまま動かす | 社内のRPA担当者か、保守を頼んだ会社 | 社内の担当者 | ロボットの直し、例外の処理、直せる人の確保 | 件数が多く、手順と画面が決まっている |
| AIに置き換える | 社内の担当者か、構築を頼んだ会社 | 社内の担当者 | 出力の確認、例外の処理、指示や参照データの直し | 件数が少なく、書式のばらつきや判断が多い |
| RPAとAIを組み合わせる | 社内の担当者か、構築を頼んだ会社 | 社内の担当者 | ロボットとAIの両方の直し、出力の確認、例外の処理 | 読み取りはAI、入力はロボットと分けられる |
| 業務ごと預けて自動化する | 預けた先 | 預けた先 | 情報の連携と最終可否の判断 | 社内に直せる人も確かめる人もおらず、完了した仕事を受け取りたい |
合う場合は一般の傾向です。直す人は保守や構築の契約の内容で変わるため、契約の前に確かめます。
AIの構築を外に頼んだ後の保守はAIエージェントの外注と運用保守。精度の確認は誰が持つかで解説しています。
自動化の運用を社内から外す方法
RPAの保守が重いのでAIに置き換えたいが、社内に入れた後の面倒を見られる人がいない会社が外に預ける方法が、完全自動化です。弊社に業務ごと預ける場合、AIエージェント・OCR・RPA・iPaaS・GAS・VBA・Pythonを組み合わせて弊社が設計・構築し、出力の確認、例外の処理、止まったときの直しを弊社が持ち、費用は月額のみで設計・構築、ツールの利用料、運用保守、判断と例外の処理を含みます。
貴社はRPAの保守から降りられます。今のロボットは、使い続けるか作り直すかは業務ごとに判断します。RPAとAIのどちらを使うかを貴社が決める必要はありません。業務ごとに弊社が組み合わせを決めます。
今のシステムや書式は変えなくてよいです。紙・FAX・メール・Excel・基幹システムのまま、今お使いのツールのまま引き受けます。ツールの操作・運用・保守は弊社が行うため、担当者の異動や退職で業務は止まりません。例外処理・目視確認・修正・マスタ更新まで引き受けます。
業務のやり方が変わったときは変更を伺い、弊社が設計を更新します。月額の範囲で追随できる変更が大半で、工程が大きく変わる場合は改めて見積もります。
見積もりと同時に品質の基準と責任の分け方を示します。弊社は遂行の正確性を持ち、貴社には情報の連携と最終可否の判断が残ります。電話応対のように即時の応答が必須の業務と、貴社の経営判断そのものはお引き受けしていません。契約を終えるときは、運用中に整理した工程・判断基準・例外の処理ルールを渡せます。
依頼してから動き出すまでは5段階です。
- ご相談(無料): 業務の概要と困っている点を伺う。対象の業務が絞れていない段階でも構わない
- ヒアリング(1回・60分): 実務の担当者に、画面共有で今のやり方を見せていただく
- お見積もり(翌営業日): その業務に今かかっている工数と費用と、導入後の月額を並べてお出しする
- テスト運用(2〜4週間): 弊社が実際に処理し、貴社は結果に間違いがないかを確認する
- 本番運用: 稼働を監視し、業務のやり方が変わったときは設計を更新する
貴社の作業は、今のやり方を画面共有で見せていただくことと、テスト運用の結果を確認いただくことの2つです。マニュアルや仕様書の作成はお願いしていません。ロボットの設計書が無くても頼めます。1つの業務から始められます。初期費用は原則かかりません。
対象の業務が絞れていない段階のご相談から承ります。最短1ヶ月で本番運用を開始できます。詳しくはAX BPOとはにまとめています。
よくある質問
Q. 業務ごと預けて自動化する場合の費用はいくらですか
月額10万円から(目安)で、業務の内容と件数により異なります。設計・構築、ツールの利用料、運用保守、判断と例外の処理を月額に含みます。初期費用は原則かかりません。ヒアリングの翌営業日にお見積もりをお出しします。ご相談は無料で承ります。
Q. 依頼をお受けできない業務の内容はありますか
電話応対のように即時の応答が必須の業務と、貴社の経営判断そのものはお引き受けしていません。依頼の入口は無料のご相談で、対象の業務が絞れていない段階でも構いません。
Q. 今のシステムやExcelの書式を変える必要はありますか
今のシステムや書式は変えなくてよいです。紙・FAX・メール・Excel・基幹システムのまま、今お使いのツールのまま引き受けます。ご依頼の入口として、画面共有で今のやり方を見せていただきます。
Q. エラーで止まった時の例外処理は誰が行いますか
選ぶ方式によって違います。弊社に業務ごと預ける場合は、止まったときの直しと例外の処理を弊社が持ち、情報の連携と最終可否の判断は貴社に残ります。
Q. 依頼する側の作業として事前のマニュアル作成は必要ですか
マニュアルや仕様書の作成はお願いしていません。貴社の作業は、今のやり方を画面共有で見せていただくことと、テスト運用の結果を確認していただくことの2つです。ロボットの設計書が無くても頼めます。
監修
株式会社Generative Partners 代表取締役 黒﨑悠一
4社を創業し、2度のM&Aを経験。2021年に創業したWANDが東証プライム上場のファンコミュニケーションズのグループに入り、同社の執行役員を務めた。2026年にGenerative Partnersを創業し、9月にAX BPOの提供を始めた。
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