RPAの効果が出ない理由と残る業務の行き先
執筆 AX BPO編集部監修 黒﨑悠一
RPAの効果が出ない理由は、ツールの機能の問題と、ロボットの作り直しや判断を伴う手作業の問題に分かれます。自動化の仕組みからこぼれる判断と例外は、専任スタッフが処理します。弊社は業務を完全自動化し、設計・構築、ツールの利用料、運用保守、判断と例外の処理まで月額10万円から(目安)に含めてお預かりします(業務の内容と件数により異なります)。
効果が出ない理由はツールか人か
RPAの効果が出ない理由は、ツールを替えれば変わるものと、替えても変わらないものに分かれます。
効果が出ない原因を調べると、導入の目的が曖昧であることや、RPAに向かない業務を選んだこと、担当者が決まっていないこと、現場に周知されていないこと、エラーや画面の変更で止まることが失敗のパターンとして挙がります。多くの記事は、目標を決めて向く業務を選び、担当者と体制を決めてマニュアルを作り、ツールを選び直すことを対策に挙げています。
MM総研の調査は、年商50億円以上の中堅・大手企業の導入率は「44%と前回調査から1ポイント減となり、伸び悩んだ。」と書いています。また「全体として複数利用していたツールを減らし、集約する動きがみられる。」とあり、使い方を見直す会社があります。
MM総研「RPA国内利活用動向調査2024」。2024年3月時点、企業1599社、Webアンケート。
ツールを替えれば変わりうるものは3つあります。
- 今のツールではできない操作がある
- ライセンスの形が使い方に合っていない
- 管理の機能が足りず、どのロボットが動いているか分からない
ツールを替えても変わらないものは4つあります。
- ロボットを作り、画面やファイルの形が変わるたびに直す仕事
- ロボットが処理できない判断と例外の手作業
- 直せる人が社内に少ない、または異動で直せる人がいなくなること
- どの業務を自動化できるか判断できないこと
NTT東日本のコラムでは「RPAは手順が決まっている作業を得意としているため、現場の判断が必要な業務には向いていません。」と書かれています。また、ITトレンドの記事は「保守負担の原因が管理ルールの不足にある場合は、ツールを変えずに運用を見直すことで改善できる可能性もあります。」と指摘しています。ツールを替えずに運用を見直して改善できる場合もあります。
別のRPAに替えても残る仕事とは
別のRPAに替えても、社内には直す仕事と手作業が残ります。
ITトレンドの記事によると、そのまま移すつもりのロボットも乗り換え先で作り直しになる場合があります。替えた先でも、作り直しとその後の手直しが社内に残ります。
直せる人が足りないことも変わらない問題です。日立ソリューションズの調査は「約31%の企業は利用拡大に課題を抱えており、そのうちの約65%はRPA人材が不足している。」と書いています。
日立ソリューションズ「2025年版:RPA導入後のリプレイス(再検討)に関する意識調査」。RPA製品を扱う会社の自社調査です。2025年2月10日〜12日、RPA導入済企業の導入担当者等、有効回答110人、インターネット調査。
さらに同社の別の調査では「RPA導入企業に勤務する200人のうち、約6割がRPA導入後の効果に満足できていない。」という結果が出ています。
日立ソリューションズ「RPA(ロボットによる業務自動化)導入後の企業意識調査レポート」。RPA製品を扱う会社の自社調査です。2020年1月9日~16日、RPA導入企業に勤める200人(調査主体は株式会社ストロボ)、インターネット調査。
また、手作業が残ることも課題です。ITmedia エンタープライズが報じたノークリサーチの調査では、課題として「ヒトによる手作業が残るため、導入効果が低い」が挙がっています。記事はノークリサーチの分析として「実際に導入するとヒトによる手作業が残ることの方が課題として顕在化しやすい」と書き、「「自動化できる業務内容がどれか判断できない」の回答割合は、「RPA導入あり&廃止」で4割超に達した。」としています。
ITmedia エンタープライズの報道記事(2023年12月28日)。ノークリサーチの調査(年商500億円未満の中堅・中小企業、有効回答1300社)を報じたものです。
社内に残る業務の詳細は RPAの保守外注で残る業務とは。エラー対応と費用相場 にまとめています。
ロボットごとの行き先を何で分けるか
ロボットごとに、直して使い続ける、別のRPAに替える、やめて手作業に戻す、ロボットも業務もやめる、業務ごと預けるという行き先を決めます。
どの行き先が合うかは、3つの観点で見分けます。
- その業務が止まると困るか
- 判断や例外がどのくらい混ざるか
- 社内に直せる人がいるか
| 行き先 | 合う場合 | 社内に残る仕事 |
|---|---|---|
| 直して使い続ける | 判断や例外が少なく、社内に直せる人がいる | ロボットを直す仕事、例外の手作業 |
| 別のRPAに替える | 今のツールでできない操作がある、ライセンスの形が合わない | 作り直し、並行稼働、替えた後に直す仕事と例外の手作業 |
| やめて手作業に戻す | 件数が少ない、判断が多くロボットがよく止まる | 業務の手作業そのもの |
| ロボットも業務もやめる | 出来上がったものを誰も使っていない | なし |
| 業務ごと預ける | 止まると困るが社内に直せる人がいない、判断や例外が多い | データの共有、成果物の受け取り、最終可否の判断 |
ロボットをやめて手作業に戻せるか
手作業に戻すことやロボットを止めることは選択肢の一つです。やめる前に、社内でいくつかの点を確かめます。
まず、止めてよいかを調べます。そのロボットの出来上がったものを、どの部署がいつ使っているかを確認します。受け取っている部署と締め日を洗い出します。
手作業に戻す場合は、誰がどの時間で処理するかを決めます。判断や例外をこれまで誰が補っていたかも確かめます。
やめる前の契約と費用の確認点
ロボットを止める前に、契約と費用の条件を確かめます。
更新日と、最低利用期間や解約の条件を確認します。ITトレンドの記事には「RPAツールの契約には、最低利用期間が設けられていることがあります。」「期間の途中で解約すると、違約金や残り期間分の料金が発生する場合があるため、契約前の確認が欠かせません。」と書かれています。
別のRPAや別の方法に移す期間と、今の契約の更新日の重なりも確かめます。乗り換えの手順を書いたITトレンドの記事は「並行稼働の期間が契約更新日をまたぐと、費用が二重にかかる場合があります。」と指摘しています。
止めたあとも、ロボットの中身や設定をしばらく残しておきます。
例外処理を含めて外に預ける方法
止まると困るが社内に直せる人がいない業務や、判断と例外が多い業務は、業務ごと預ける道があります。
RPAは手順が一定の工程を自動化するツールであり、取引先ごとに書式が違う、判断が要るといった工程は処理できません。弊社が提供するAX BPOは、そうした工程を処理する前提で業務全体を設計します。ツールの構築と保守も弊社が行うため、貴社がロボットを作ることも、直すこともありません。
AX BPOがどういうサービスかは AX BPOとは にまとめています。
業務に合わせて、AIエージェント、OCR、RPA、iPaaS、GAS、VBA、Pythonなどを組み合わせて設計・構築します。使い続けるか作り直すかは、業務ごとに判断します。ツールの操作・運用・保守は弊社が行い、貴社の担当者には発生しません。稼働の監視と、業務のやり方が変わったときの設計の更新を弊社が行います。今のシステムや書式は変えません。基幹システムの改修も要りません。
依頼してから動き出すまでの段階は5つあります。
- ご相談(無料): 業務の概要と困っている点を伺う。対象の業務が絞れていない段階でも構わない
- ヒアリング(1回・60分): 実務の担当者に、画面共有で今のやり方を見せていただく
- お見積もり(翌営業日): その業務に今かかっている工数と費用と、導入後の月額を並べてお出しする
- テスト運用(2〜4週間): 弊社が実際に処理し、貴社は結果に間違いがないかを確認する
- 本番運用: 稼働を監視し、業務のやり方が変わったときは設計を更新する
貴社の作業は、今のやり方を画面共有で見せていただくことと、テスト運用の結果を確認いただくことの2つです。マニュアルや仕様書の作成はお願いしていません。初期費用は原則かかりません。最短1ヶ月で本番運用を開始できます。
契約を終えるときは、運用中に整理した工程、判断基準、例外の処理ルールをお渡しできます。特定のツールや弊社に依存しない形で設計しています。
よくある質問
Q. 別のRPAに替えるだけで効果は出ますか
今のツールでできない操作があるなど、ツールの問題であれば変わりえます。直す仕事やロボットが処理できない判断と例外の手作業は、替えても社内に残ります。
Q. ロボットを直す仕事は無くせますか
AX BPOで業務ごと引き受ける場合、ツールの構築と保守も弊社が行うため、貴社がロボットを作ることも、直すこともありません。
Q. 手作業に戻すと担当者の負担は増えますか
ロボットがしていた処理を人が持つので、その分の作業は担当者に戻ります。戻す前に、誰がどの時間を使って処理するか、これまで判断や例外を誰が補っていたかを確かめます。
Q. 解約時に費用が二重にかかることはありますか
あります。並行稼働の期間が契約更新日をまたぐと費用が二重にかかる場合があるため、移す期間を今の契約の更新日から逆算して決めます。
Q. 自動化と例外処理は分けて依頼するのですか
分けずに1つの業務としてお預かりし、設計・構築、ツールの利用料、運用保守、判断と例外の処理まで月額に含みます。
どの業務を預けられるかの診断から承ります
対象の業務が絞れていない段階でも構いませんので、どの業務を自動化できるかのご相談から無料で承ります。
監修
株式会社Generative Partners 代表取締役 黒﨑悠一
4社を創業し、2度のM&Aを経験。2021年に創業したWANDが東証プライム上場のファンコミュニケーションズのグループに入り、同社の執行役員を務めた。2026年にGenerative Partnersを創業し、9月にAX BPOの提供を始めた。
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