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RPA担当者の退職と引き継ぎ。後任不在でやること

執筆 AX BPO編集部監修 黒﨑悠一

退職が決まったら、止まると困るロボットから順に引き継ぎ書を作り、後任が直せないロボットは行き先を決めます。業務ごと外に預ける場合、月額10万円から(目安)で承ります。業務の内容と件数により異なりますが、設計・構築、ツールの利用料、運用保守、判断と例外の処理を月額に含みます。自動化の仕組みからこぼれる判断と例外は、専任スタッフが処理します。

RPA担当者の退職と属人化のリスク

コボットLABは「フローチャートなどで可視化できるフォーマットがなければ、RPA担当者の異動・退職と同時にロボットの処理がブラックボックス化します。」と指摘しています。

一方で、KYOSO PRAS+は「人事異動や退職が決まっていても、部内でRPAの優先度が低く業務引継ぎが進まない」と書いています。

RPA人材が足りない実態があります。日立ソリューションズの調査では「約31%の企業は利用拡大に課題を抱えており、そのうちの約65%はRPA人材が不足している。」という結果が出ています。

調査時期は2025年2月10日から12日、対象はRPA導入済企業の導入担当者、もしくはRPA導入決定権を持つ部署に所属している人、有効回答110人。RPA製品を扱う会社の自社調査。

最終出社日までに進める引き継ぎの手順

解説記事は、属人化を防ぐための予防策として、作り方のルールをそろえて文書に残すことや、管理台帳を作り、担当を複数人にすることを勧めています。退職が決まった後から最終出社日までに進める手順は7つあります。

  1. 担当者が作った・動かしているロボットを書き出す(何の業務か、いつ動くか、止まると困る度合い)
  2. 止まると困る業務のロボットから順に、引き継ぎ書を書いてもらう
  3. ロボットが使うアカウントと権限を確かめ、アカウントの持ち主と申請先を書く
  4. ロボットが止まったときに手作業で回す手順を、入力するファイルと出来上がるファイルの現物と一緒に残す
  5. 後任を決め、最終出社日の前に一度、後任がロボットを動かして結果を確かめる
  6. 台帳の担当者を書き換え、関係する部署に伝える
  7. 後任が見つからないロボットは、行き先を決める

最終出社日までの時間は限られます。全部のロボットを同じ深さで引き継ごうとせず、止まると困る業務から順に進めます。パスワードは引き継ぎ書に書きません。

担当者が最終出社日を待たずに出社できなくなることもあるため、ロボットの書き出しから手作業の手順を残すまでは早く始めます。ロボットが止まった当日の回し方は 野良ロボット対策と止まった当日の業務の回し方・仕分け方 にまとめています。

引き継ぎ書に書いても後任が直せない部分

引き継ぎ書には、書けば後任がそのまま使えるものと、書いてもすぐには使えないものがあります。

書けば後任がそのまま使えるもの

  • 何の業務をしているロボットか(何を入れて、何を作るか)
  • 動かす時刻・頻度と、締め日
  • ロボットのファイルと、入力・出力のファイルの置き場所
  • ロボットが参照するファイルやアプリケーションの画面
  • 使うアカウントの持ち主と、権限の申請先
  • 出来上がったものを誰に渡しているか
  • 止まったときに手作業で回す手順と、その置き場所
  • これまでに直した日と、直した中身

書いても後任がすぐには使えないもの

  • 止まったときに、ロボットの中身を読んで原因を見つけ、直すこと
  • 画面や書式が変わったときに、ロボットを直すこと
  • 例外の件が来たときに、これまでどう判断してきたか

原因を見つけて直すには、ロボットの中身を読める人が要ります。例外の判断を書いても、その判断を任せられる人が要ります。これらを引き受けられる人が社内にいないロボットが、後任のいないロボットです。

業務マニュアルを参照する引き継ぎの限界

金融機関向けの原案である公益財団法人 金融情報システムセンター(FISC)の「RPA 導入にあたっての解説書【原案】」は、担当者の異動や退職のときに業務が分からなくなることを問題として挙げています。担当者が変わるときは、ロボット管理台帳の担当者を書き換えて関係部門と共有し、引き継ぎ項目の一覧表を作っている場合は、そこにRPAの項目を加えることが考えられるとしています。また、台帳に参照するデータファイルや画面を書き、手作業での業務マニュアルの保存場所を添えておくとしています。

引き継いだ側について、同書は「利用担当者を引き継いだ者は、ロボットが実施している業務を、業務マニュアル等を参照して理解する。」と書いています。

この手順は、業務マニュアルがあり、それを読んで理解できる後任がいることを前提にしています。社内の1人の後任に引き継ぐと、直せるのがまたその1人になります。その人が異動・退職するときに同じ引き継ぎが要ります。人数を増やせない部署では、同じことが繰り返されます。

社内に後任がいないロボットの行き先

後任が社内に見つからないロボットは、行き先を決めます。

後任が見つからないロボットの行き先
行き先合う場合ロボットを直す人社内に残る作業
社内の後任に引き継ぐ中身を読んで直せる人が社内にいるか、育てる時間がある社内の後任止まったときと業務が変わったときの修正、判断と例外の処理、次の異動のときの引き継ぎ
外部にロボットの保守を頼むロボットを使い続けたい。業務の変更が少ない保守を契約した外部依頼の範囲を決めること、判断と例外の処理、結果の確認
止めて手作業に戻す件数が少なく、判断の要らない短い作業不要手作業そのもの
業務ごと預ける止まると困る業務で、社内に直せる人がいない弊社データの共有、成果物の受け取り、最終可否の判断

出典のない弊社の整理。

外部にロボットの保守を頼む場合、外に出るのはロボットを直すことまでです。詳しくは RPAの保守外注で残る業務とは。エラー対応と費用相場 に書いています。

業務を預けるときの依頼側の作業

弊社に業務ごと預ける場合、貴社でロボットの中身を読み解いて資料にしてから渡す必要はありません。依頼してから動き出すまでは5つの段階で進みます。

  1. ご相談(無料): 業務の概要と困っている点を伺う。対象の業務が絞れていない段階でも構わない
  2. ヒアリング(1回・60分): 実務の担当者に、画面共有で今のやり方を見せていただく
  3. お見積もり(翌営業日): その業務に今かかっている工数と費用と、導入後の月額を並べてお出しする
  4. テスト運用(2〜4週間): 弊社が実際に処理し、貴社は結果に間違いがないかを確認する
  5. 本番運用: 稼働を監視し、業務のやり方が変わったときは設計を更新する

貴社の作業は、今のやり方を画面共有で見せていただくことと、テスト運用の結果を確認いただくことの2つです。マニュアルや仕様書の作成はお願いしていません。退職する担当者がいる間にヒアリングに出てもらえれば、今のやり方をその人から見せていただけます。AX BPOがどういうサービスかは AX BPOとは にまとめています。

担当者の退職で業務が止まらない仕組み

弊社は業務に合わせて、AIエージェント・OCR・RPA・iPaaS・GAS・VBA・Pythonなどを組み合わせて設計・構築します。最短1ヶ月で本番運用を開始できます。

ツールの操作・運用・保守は弊社が行い、貴社の担当者には発生しません。稼働の監視と、業務のやり方が変わったときの設計の更新を弊社が行います。そのため、担当者の異動や退職で業務は止まりません。

今のシステムや書式は変えません。基幹システムの改修も要りません。見積もりと同時に品質の基準と責任の分け方を示します。弊社は遂行の正確性を担い、貴社は情報の連携と最終可否の判断を行います。

契約を終えるときは、運用中に整理した工程・判断基準・例外の処理ルールを渡せます。特定のツールや弊社に依存しない形で設計しています。

よくある質問

Q. 退職までに引き継ぎ書へ何を書けばよいですか

書けば後任が使えるものとして、業務の内容、動かす時刻や頻度、ファイルや画面の置き場所、アカウントの持ち主と申請先などを書きます。パスワードは引き継ぎ書に書きません。

Q. 引き継ぎ書があっても後任が直せないのはなぜですか

止まったときにロボットの中身を読んで原因を見つけ、直す必要があるからです。画面や書式が変わったときの修正や、例外が来たときの判断も、引き継ぎ書を読むだけではすぐに引き受けられません。

Q. 後任が社内に見つからないロボットはどうなりますか

外部にロボットの保守を頼む、止めて手作業に戻す、業務ごと預けるのいずれかを選びます。弊社に業務ごと預ける場合、今のロボットを使い続けるか作り直すかは、業務ごとに判断します。

Q. 業務ごと外に預けるときの費用はいくらですか

月額10万円から(目安)です。初期費用は原則かかりません。業務の内容と件数により異なりますが、設計・構築、ツールの利用料、運用保守、判断と例外の処理を月額に含みます。

Q. 依頼する側の担当者にはどのような作業が発生しますか

今のやり方を画面共有で見せていただくことと、テスト運用の結果を確認いただくことの2つです。マニュアルや仕様書の作成はお願いしていません。

後任がいない業務の自動化をご相談ください

対象の業務が絞れていない段階でも構いませんので、業務の概要と困っている点を無料で伺います。

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監修

株式会社Generative Partners 代表取締役 黒﨑悠一

4社を創業し、2度のM&Aを経験。2021年に創業したWANDが東証プライム上場のファンコミュニケーションズのグループに入り、同社の執行役員を務めた。2026年にGenerative Partnersを創業し、9月にAX BPOの提供を始めた。

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