SaaSが多すぎる。減らすかつなぐかで何が片付き何が残るのか
執筆 AX BPO編集部監修 黒﨑悠一
SaaSが増えすぎたことによる困りごとはアカウントと費用の管理とツール間の手作業の2つに分かれ、前者は減らすことや管理ツールで、後者はつなぐことや業務ごと預けることで片付きやすいです。自動化の仕組みからこぼれる判断と例外は、専任スタッフが処理します。業務ごと預けて自動化する場合の費用は月額10万円から(目安)で、業務の内容と件数により異なります。設計・構築、ツールの利用料、運用保守、判断と例外の処理を月額に含みます。
SaaSが多すぎると何が困るか
総務省の調査によれば、クラウドサービスの利用企業は8割を上回っており、増加傾向が続いています。
弊社が読んだ11本の記事の多くは、部門ごとにSaaSが導入されて生じるアカウントや費用の把握しづらさを課題に挙げています。解決策として、不要なツールを減らすことや、SaaS管理ツールで一元化することが論じられています。連携の基盤や自動化を提供する事業者は、APIやiPaaSを使ってツールの間の書き写しをなくす方法を説いています。
ツールをつないだ後に、突き合わせて合わない件の確認や、入力していない人への催促、どちらの値が正しいかの判断を誰が担うかを正面から書いた記事は、弊社が読んだ範囲では見当たりませんでした。
総務省「令和7年通信利用動向調査の結果」。令和7年8月末時点、公務を除く産業に属する常用雇用者規模100人以上の企業が対象で、有効回収は2,489企業。
情シスが抱えるアカウントと費用の管理
SaaSが多すぎることによる困りごとの一つは、誰がどのSaaSを使っているか、使われていないアカウントが残っていないか、費用を把握する業務です。主に情シスや管理部門が持ちます。
株式会社クリエイティブバンクの調査では、会社全体で導入しているSaaSの数は「10~49種類」が22.9%、「50~99種類」が11.6%です。「使われていないアカウントが放置されていることがある」は、「よくある」19.5%と「たまにある」38.9%を合わせて58.4%に上ります。SaaSの管理方法は「管理部門がExcelや社内台帳で管理している」が32.7%で最も多く、「SaaS管理ツールで一元管理している」が21.3%、「各部門がそれぞれでリスト管理している」が12.8%、「管理方法が定まっておらず利用者任せになっている」が7.0%です。
株式会社クリエイティブバンク「2025年 SaaS活用の実態」。調査期間は2025年10月17日~10月18日、国内在住の会社員・経営者1,243名へのインターネット調査。個人の回答であり、会社の数ではありません。
現場が抱えるツール間の手作業と確認
もう一つの困りごとは、ツールとツールの間でデータを渡す手作業です。弊社の整理では、主に経理、営業事務、総務などの現場が持ちます。
BizteX株式会社の調査によれば、データ連携に何らかの課題を感じている企業は86.9%に上ります。最も多い課題は「部門ごとに異なるSaaSを利用しているため、部門間のデータ連携ができていない」で39.9%です。連携の方法は「iPaaSもしくは同様の機能」が47.9%、「スクラッチ開発したプログラム」が46.5%、「CSVのエクスポート/インポートなどによって手動で連携している」が26.7%です。
BizteX株式会社の調査(ECのミカタの記事で確認)。2024年2月のインターネット調査。SaaSを利用している企業で、ITサービスの導入・選定に関わる担当者536名が対象。BizteX株式会社が実施した調査を、メディアの記事で確認した数字です。記事で確認できる範囲では、誰が手作業をしているかの設問はありません。
弊社の整理では、ツールの間には次の手作業が残ります。
- あるツールからCSVで書き出し、別のツールに読み込む。手で打ち直す
- 2つのツールの件数や金額を比べ、合わない件を探して確かめる
- 入力や承認がされていない人に、期日までに入れるよう連絡する
- 取引先名や金額が2つのツールで食い違ったとき、どちらの値を正とするかを決めて直す。マスタに無い新しい取引先を足す
- つないだ連携がエラーで止まったとき、原因を調べて再実行する。ツールの画面や項目が変わったときに設定を直す
社内で方法を比べるときは、次の項目を書き出します。
- どのツールからどのツールへデータを渡しているかの一覧
- その作業を誰が、どのくらいの頻度でしているか
- 合わない件が出たとき、誰が何を見て決めているか
- 催促を誰がしているか
減らすことと管理ツールで片付く範囲
弊社の整理では、機能が重なるSaaSを減らしてまとめる方法は、契約の数と費用、使っていないアカウントを片付けることに効きます。残したツールの間の書き写しと突き合わせは、情シスと現場の担当者に残ります。
SaaS管理ツールで管理する方法は、アカウントと契約の把握に効きます。管理ツールの外のツールの登録と、ツールの間の手作業は社内に残ります。
どちらも、アカウントと費用の管理を片付けることに適した方法です。機能が重なるツールがある場合や、数が多く把握が追いつかない場合に合います。
iPaaSやAPIで連携した際の効果
弊社の整理では、APIやiPaaSでつなぐ方法は、決まった項目の書き写しを自動化することに効きます。項目が決まっていて、社内に設定を直せる人がいる場合に合います。
ツールをつないでも、合わない件の判断や連携が止まったときの直しは、設定を知る社内の誰かに残りやすいです。ツールの画面や項目が変わったときにも、設定を直す作業が生じます。
各種の転記の方法について、例外を誰が直すかを比べた記事は Excelデータ転記の自動化。例外は誰が直すか にまとめています。
業務ごと預けて自動化するとどう変わるか
SaaSが増えてツールとツールの間の書き写しや突き合わせが残っている会社がその業務を外に預ける場合、今のツールのまま、AIエージェント、OCR、RPA、iPaaS、GAS、VBA、Pythonを組み合わせて弊社が設計・構築し、例外処理や目視確認、修正、マスタ更新、運用保守までを月額のみで引き受け、貴社に残るのは情報の連携と最終可否の判断で、作業は今のやり方を見せることとテスト運用の結果を確かめることの2つです。
たとえば、取引先マスタの名寄せ、在庫の突合、入金消込、受発注データの登録、商談データの更新といった業務をお預かりします。ツールの名前はたとえば、kintone、freee、マネーフォワード、Salesforce、Excel、基幹システムなどです。ツールの間のCSVの書き出しと読み込み、書き写し、突き合わせて合わない件の確認も、預けた業務の工程として弊社が組み、処理します。
ツールの操作、運用、保守は弊社が行うため、貴社の担当者にツールの操作、運用、保守は発生しません。ツールの画面や項目が変わったとき、連携が止まったときの直しも弊社が持ちます。業務のやり方が変わったときは変更を伺い、弊社が設計を更新します。
見積もりと同時に品質の基準と責任の分け方を示します。弊社は遂行の正確性に責任を持ち、最終可否の判断は貴社が持ちます。電話応対のように即時の応答が必須の業務、貴社の経営判断そのもの、どのSaaSを契約しどれを解約するかの判断は引き受けません。残したツールの間の業務をお預かりします。
依頼してから動き出すまでは次の5段階です。最短1ヶ月で本番運用を開始できます。
- ご相談(無料): 業務の概要と困っている点を伺います。対象の業務が絞れていない段階でも構いません
- ヒアリング(1回・60分): 実務の担当者に、画面共有で今のやり方を見せていただきます
- お見積もり(翌営業日): 今かかっている工数と費用、導入後の月額を並べてお出しします。1つの業務から頼めます
- テスト運用(2〜4週間): 弊社が実際に処理し、結果に間違いがないかを確認いただきます
- 本番運用: 稼働を監視し、業務のやり方が変わったときは設計を更新します
貴社の作業は、今のやり方を画面共有で見せていただくことと、テスト運用の結果を確認いただくことの2つです。マニュアルや仕様書の作成はお願いしていません。初期費用は原則かかりません。
AX BPOがどういうサービスかは AX BPOとは にまとめています。
4つの方法で社内に残る仕事一覧
4つの方法で片付くものと社内に残るもの、誰が持つかを表にまとめました。
| 方法 | 片付くもの | 社内に残るもの | 誰が持つか | 合う場合 |
|---|---|---|---|---|
| 減らす・まとめる | 契約の数と費用・使っていないアカウント | 残したツールの間の書き写しと突き合わせ | 情シスと現場 | 機能が重なるツールがある |
| SaaS 管理ツールで管理する | アカウントと契約の把握 | 管理ツールの外のツールの登録とツールの間の手作業 | 情シス | 数が多く把握が追いつかない |
| iPaaS・API でつなぐ | 決まった項目の書き写し | 合わない件の判断と連携が止まったときの直し | 設定を知る社内の人 | 項目が決まっていて設定を直せる人がいる |
| 業務ごと預けて自動化する | 書き写し・突き合わせ・例外の処理 | 情報の連携と最終可否の判断 | 弊社(最終可否の判断は貴社) | 判断と例外まで社内で持てない |
弊社の整理です。合う場合は一般の傾向を示しています。
方法は組み合わせて選べます。減らしたうえで、残ったツールの間の業務を預けることもできます。情シスがAIエージェントを入れたあとの作業については 情シスのAIエージェント。導入後に戻ってくる作業と持ち手比較 にまとめています。
よくある質問
Q. 業務ごと預けて自動化する場合の費用はいくらですか
月額10万円から(目安)で、業務の内容と件数により異なります。設計・構築、ツールの利用料、運用保守、判断と例外の処理を月額に含みます。初期費用は原則かかりません。ヒアリングの翌営業日にお見積もりをお出しします。対象の業務が絞れていない段階から無料でご相談を承ります。
Q. どのSaaSを契約・解約するかの判断は任せられますか
引き受けません。どのSaaSを契約しどれを解約するかの判断は貴社にお願いしています。電話応対のように即時の応答が必須の業務も引き受けません。弊社が引き受けるのは、残したツールの間の業務です。
Q. CSVのエクスポートとインポートは自動化できますか
はい。ツールの間のCSVの書き出しと読み込みも、預けた業務の工程として弊社が組み、合わない件の確認まで処理します。貴社の作業は、今のやり方を画面共有で見せていただくことと、テスト運用の結果を確認いただくことの2つです。
Q. 月額費用には設計や運用保守も含まれますか
含まれます。設計・構築、ツールの利用料、運用保守、判断と例外の処理を月額に含みます。構築も運用保守も弊社が行うため、貴社の担当者にツールの操作や保守は発生しません。
Q. kintoneやfreeeなど今のツールのまま依頼できますか
はい。たとえばkintone、freee、マネーフォワード、Salesforce、Excel、基幹システムなど、今のシステムのままお預かりします。書式も変えなくて構いません。
ツールの間の手作業を預けたときの月額を無料相談で確かめる
対象の業務が絞れていない段階でも構いませんので、業務の概要と困っている点を無料でご相談いただけます。
監修
株式会社Generative Partners 代表取締役 黒﨑悠一
4社を創業し、2度のM&Aを経験。2021年に創業したWANDが東証プライム上場のファンコミュニケーションズのグループに入り、同社の執行役員を務めた。2026年にGenerative Partnersを創業し、9月にAX BPOの提供を始めた。
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