業務改善が進まない。兼務で手が回らないときの進め方4つの比較
執筆 AX BPO編集部監修 黒﨑悠一
業務改善が進まない理由は、進める担当者の時間と、作ったあとの例外の処理や保守を誰が持つかに分けられます。解決する一つの方法として業務ごと預けて完全自動化するAX BPOがあり、自動化の仕組みからこぼれる判断と例外は専任スタッフが処理します。費用は月額10万円から(目安)で、業務の内容と件数により異なります。月額には設計・構築、ツールの利用料、運用保守、判断と例外の処理を含みます。
業務改善が進まない理由と担当者の兼任
業務改善が進まない理由を解説記事で調べると、目的の曖昧さ、現場の実態とのずれ、属人化、教育と定着の不足といった構造に原因を求めるものが多く見つかります。一方で、公的機関の調査では人材と費用の不足が多く挙がり、時間がないという回答もあり、業務改善の担当者に聞いた民間の調査では兼任が理由に多く挙がっています。
以下に挙げる2つの公的機関の調査は、デジタル化やDXを進めるときの問題点を聞いたものです。
独立行政法人中小企業基盤整備機構の調査では、課題として「ITに関わる人材が足りない」28.3%、「予算の確保が難しい」26.0%、「DX推進に関わる人材が足りない」25.6%、「具体的な効果や成果が見えない」21.4%が多く挙がっています。
独立行政法人中小企業基盤整備機構が2026年2月に公表した調査。全国の中小企業者等1,000社へのWebアンケート(DXに取り組んでいない企業も含む)。2025年12月調査。複数回答。母数は回答した1,000社全体です。
中小企業白書では、デジタル化の取組段階ごとに問題点が分かれています。「DXを推進する人材が足りない」と答えた事業者の割合は、段階2(アナログな状況からデジタルツールを利用した業務環境に移行している状態)で51.2%、段階3(デジタル化による業務効率化やデータ分析に取り組んでいる状態)で50.3%です。
中小企業庁「2025年版 中小企業白書」第1-1-45図「DXに向けた取組を進めるに当たっての問題点(デジタル化の取組段階別)」。資料は(株)帝国データバンク「令和6年度中小企業の経営課題と事業活動に関する調査」(2024年11月〜12月のWebアンケート)。複数回答。
業務改善の担当者に聞いた調査もあります。株式会社スタディスト調べによると、業務改善の成果は「おおむね目標通り」「目標以上」が19.5%、「目標の半分程度の成果」46.0%、「ほとんど成果が出なかった」26.5%、「取り組み自体が途中で止まった」8.0%に分かれます。
成果が不十分だったと答えた161名が挙げた理由で多かったのは、「担当者が他業務と兼任で手が回らなかった」28.6%、「時間が足りなかった」23.0%、「何から手をつければよいかわからなかった」22.4%です。
株式会社スタディスト調べ。従業員300名未満の企業に勤め、業務改善に携わった経験のある担当者200名へのインターネット調査(民間企業の調査)。2026年6月24日〜6月25日実施。
兼務の担当者の時間が空かない理由
先ほどの中小企業白書では「DXに取り組む時間がない」という項目もあります。割合は段階2で23.8%、段階3で19.5%です。
業務改善を任された担当者の多くは、改善の間も今の日常業務を持ち続けます。改善の範囲を小さく絞ると試す手間は減りますが、その担当者の日常業務そのものは減りません。締めや繁忙期には日常業務が優先され、改善の作業は後に回りやすくなります。
改善に使う時間を空けるには、担当者の日常業務のうち定型のものを、別の人か別の方法に移す必要があります。
効率化ツールを入れた後に残る作業
業務の直し方を書いた解説記事では、業務の見える化と棚卸しから始め、小さく試し、教育やマニュアル化を経て見直す順序が多く書かれています。ツールやマクロを作った後、例外の処理や保守を誰が持つかまで書いた記事は弊社が読んだ範囲では見当たりません。
自動化のツールやマクロを作った後にも、日々の業務には例外の処理や保守の作業が残ります。
- 取引先の書式がいつもと違う、データが合わないなど、ツールが止まった件の処理
- 画面や書式が変わったときの、ツールやマクロの修正
- 作った人が異動・退職したときの引き継ぎ
- ツールの結果に間違いがないかの確認
- 別の業務に広げるときの作成と、その後の保守
作った人しか直せないツールは、その人の時間をまた日常業務に引き戻します。直せる人がいなくなった後の話は VBAの属人化でマクロが止まったら。退職後の初動と解消の手順 に書いています。
先の株式会社スタディスト調べで、AI・自動化ツールを会社で導入したことがある人は47.0%です。使い方は「個人的な作業補助として利用」が61.7%、「業務フローへ組み込んでいる」が28.7%で、「複数業務を自動化している」は2.1%です。効果が出ない理由として「使いこなせる人材がいない」が65.6%、「どの業務に適用すればいいか分からない」が40.6%に上ります。
業務改善の進め方4つを比べる
改善の範囲を絞る方法や、外部のコンサルティングを頼る方法を、担当者の時間と作った後の保守の観点で比べます。
この表は一般の傾向をまとめた弊社の整理です。個々の会社やサービスの評価ではありません。研修やコンサルティングが引き受ける範囲は依頼先で違います。
| 進め方 | 改善を進める人 | 担当者の日常業務 | 作った後の例外と保守 | 社内に残る作業 | 合う場合 |
|---|---|---|---|---|---|
| 社内で範囲を絞って進める | 兼務の担当者 | そのまま残る | 作った担当者 | 改善の企画、ツールの作成と保守、日常業務 | 小さな業務から試せて、作って直せる人が社内にいる |
| 改善の担当やチームを置く | 選んだ担当やチーム | 担当者の分を別の人に割り振る | 改善の担当やチーム | 人の選定と配置、ツールの作成と保守 | 改善を続ける人を社内に置ける |
| 外部の研修やコンサルで進め方を固める | 社内の担当者(外部は進め方を示す) | そのまま残る | 社内の担当者 | 改善の実行、ツールの作成と保守 | 進め方や優先順位が決まらず、実行する人は社内にいる |
| 業務ごと預けて自動化する | 弊社が設計し、処理する | 預けた業務の分が空く | 弊社(例外処理・目視確認・修正・マスタ更新・設計の更新) | データの共有、成果物の受け取り、最終可否の判断 | 毎月決まって発生する定型の業務に、担当者の時間が取られている |
止まっている業務の書き出し方
社内でどの進め方が合うかを比べるために、止まっている業務を書き出します。
- 改善が止まっている業務の名前(請求書の入力、入金の確認、受注の登録など)
- 毎月の件数と、締めの日
- 今その業務を持っている人と、その人が兼任している仕事
- 手順のどこで人が判断しているか、例外が出たときに誰に聞いているか
- すでに作ったツールやマクロがあるか、それを直せる人は誰か
外に出す業務と社内に残す業務の分け方
書き出した業務を、外に出すものと社内に残す仕事に分けます。
外に出しやすい業務は次のものです。
- 毎月決まって発生する
- 手順と判断の基準を、画面を見せながら説明できる
- 成果物の形(Excelの表、基幹システムへの入力など)が決まっている
- 例外の処理に担当者の時間が取られている
社内に残す仕事は次のものです。
- どの業務をどう変えるかを決めること
- 経営判断そのもの
- 成果物を最後に使ってよいかの判断(最終可否の判断)
電話応対のように即時の応答が要る業務は弊社では引き受けておりません。自動化から外した業務の行き先は RPAに向かない業務は誰が処理する?対象外になった後の行き先 に書いています。
業務ごと預けて自動化する仕組みと範囲
弊社が提供するAX BPO(AX BPOとは)は、業務の分解と設計から引き受けます。今のやり方を画面共有で見せていただき、工程と判断基準を棚卸しして、自動化する範囲と、AI・ツール・弊社の処理の分担を弊社が設計します。要件定義書も仕様書も要りません。
お預かりする業務は、請求書の読み取りと入力、入金消込、受発注データの登録、在庫の突合、取引先マスタの名寄せ、月次レポートの作成、勤怠データの集計などです。
Excel、kintone、freee、マネーフォワード、Salesforce、Google スプレッドシート、紙、FAX、基幹システムなど、今お使いのツールのまま預けられます。今のシステムや書式は変えなくて構いません。既にあるツールやマクロは、使い続けるか作り直すかを業務ごとに判断します。
業務に合わせてAIエージェント、RPA、iPaaS、GAS、VBA、Pythonを組み合わせて構築します。例外処理・目視確認・修正・マスタ更新まで引き受けます。処理した結果は、Excelや基幹システムへの入力など、必要な形で返します。
ツールの操作・運用・保守は弊社が行うため、貴社の担当者にツールの操作・運用・保守は発生しません。依頼してから動き出すまでは5段階です。
- ご相談(無料): 業務の概要と困っている点を伺う
- ヒアリング(1回・60分): 実務の担当者に、画面共有で今のやり方を見せていただく
- お見積もり: その業務に今かかっている工数と費用と、導入後の月額を並べてお出しする
- テスト運用(2〜4週間): 弊社が実際に処理し、貴社は結果に間違いがないかを確認する
- 本番運用: 稼働を監視し、業務のやり方が変わったときは設計を更新する
貴社の作業は、今のやり方を画面共有で見せていただくことと、テスト運用の結果を確認いただくことの2つです。最短1ヶ月で本番運用を開始できます。
見積もりと同時に、品質の基準と責任の分け方をお示しします。弊社は遂行の正確性を、貴社は情報の連携と最終可否の判断を持ちます。特定のツールや弊社に依存しない形で設計しており、運用中に整理した工程・判断基準・例外の処理ルールは契約を終えるときに渡せます。
よくある質問
Q. 対象業務が絞れていなくても相談できるか
対象の業務が絞れていない段階でも構いません。どの業務を自動化できるかから伺います。ただし、貴社の経営判断そのものや、電話応対のように即時の応答が要る業務は引き受けておりません。
Q. マニュアルや仕様書がなくても頼めるか
マニュアルや仕様書の作成はお願いしておりません。貴社の作業は、今のやり方を画面共有で見せていただくことと、テスト運用の結果を確認いただくことの2つです。
Q. 基幹システムやExcelのままでよいか
今のシステムや書式は変えなくて構いません。Excel、kintone、freee、マネーフォワード、Salesforce、Google スプレッドシート、基幹システムなど、今お使いのツールのまま預けられます。
Q. 例外処理や画面の修正はどうなるか
自動化から外れる例外処理・目視確認・修正・マスタ更新は弊社が引き受けます。画面や書式が変わったときは弊社が変更を伺って設計を更新します。工程が大きく変わる場合は改めて見積もります。
Q. 月額費用には何が含まれるか
費用は月額10万円から(目安)で、業務の内容と件数により異なります。月額には、業務の設計・構築、ツールの利用料、運用保守、判断と例外の処理を含みます。初期費用は原則かかりません。お見積もりはヒアリングの翌営業日にお出しします。
監修
株式会社Generative Partners 代表取締役 黒﨑悠一
4社を創業し、2度のM&Aを経験。2021年に創業したWANDが東証プライム上場のファンコミュニケーションズのグループに入り、同社の執行役員を務めた。2026年にGenerative Partnersを創業し、9月にAX BPOの提供を始めた。
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