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Power Automateの限界。残った例外処理は誰の仕事か

執筆 AX BPO編集部監修 黒﨑悠一

Power Automateの限界は、数値で決まる製品の制限と、人の判断が要る例外の工程に分かれます。製品の制限はプランの変更で広がりますが、判断と例外の工程は残ります。自動化の仕組みからこぼれる判断と例外は、専任スタッフが処理します。費用は月額10万円から(目安)で、設計・構築、ツールの利用料、運用保守、判断と例外の処理を含み、業務の内容と件数により異なります。

自動化における2種類の限界

弊社の整理では、自動化の限界は2種類に分かれます。1つ目は、Microsoftが数値で定めている上限と、ライセンスで決まる機能の範囲による製品の制限です。2つ目は、人の判断が要る工程と、決まった手順から外れる例外です。

Power Automateは判断の要らない定型の処理には合います。製品の制限はプランやライセンスを替えると広がるものがありますが、判断と例外の工程そのものは残ります。

実行期間やアクションの公式制限

Microsoft Learnの公式の数値による製品の制限事項です。クラウド フローには次の制限があります。

  • 実行の継続時間: 30 日。承認などの保留中のステップを含むフローも含まれ、30 日後、すべての保留ステップがタイムアウトになる
  • ワークフローごとのアクション: 500
  • 1 人のユーザーが所有するフローの数: 600
  • 90 日以内にトリガーされないクラウド フローは、オフになる可能性がある(Premiumライセンスなどを持つユーザーが所有するフローは対象外で、停止の 30 日前に通知される)
  • 要求数の制限を一貫して 14 日間超えたクラウド フローは、システムがオフにする

出典: Microsoft Learn「自動化フロー、スケジュールされたフロー、インスタント フローの制限事項」

24 時間あたりの要求数の公式制限は、Power Automate 無料と Office 365 はユーザーごとに 6k、Power Automate Premium はユーザー1人あたり 40,000、Power Automate Process はライセンスごとに 25 万です。現在、すべての組織は移行期間中で、公式制限とは別の値が適用されています。

出典: Microsoft Learn「要求の制限と割り当て」。成功したアクションと失敗したアクションの両方が制限にカウントされます。デスクトップ フローの実行では、要求は使用されません。

デスクトップ フローには次の制限があります。

  • Windows Home では、クラウドからデスクトップ フローをトリガーすることはできない
  • 非アテンド型(無人)で動かす場合、プロセッサは4つ以上のコアが必要
  • 1 回のデスクトップ フロー実行でログに記録できるアクションの数は 10,000 に制限されている

出典: Microsoft Learn「前提条件と制限」

2026年10月時点における年払い・税抜のライセンスの価格は、機能に応じて3段階に分かれます。

  • Power Automate Premium: ¥2,248 ユーザー/月相当。クラウド フローと、アテンド型デスクトップ フローを含む
  • Power Automate Process: ¥22,488 ボット/月相当。クラウド フローと、非アテンド型デスクトップ フローを含む
  • Power Automate Hosted Process: ¥32,233 ボット/月相当。Process の機能に加え、Microsoft がホストする仮想マシンを含む

出典: Microsoftの価格ページ(2026年10月時点、年払い、税抜)。ボットはマシンに割り当てられ、一度に 1 つの非アテンド型デスクトップ フローを実行できます。並列に実行するには複数のボットが要ります。

ツールの外に残る判断と例外の工程

人の判断が要る工程と決まった手順から外れる例外は、ツールの外に残ります。

geechs jobの「Microsoft Power Automateとは?特徴とメリット・デメリットを紹介」には、「逆に人の判断が必要な場合には、Power Automateの活用は不適切です。」と書かれています。CIOコネクティッドの「Power Automateとは?できること・できないことを業務別に徹底解説」には、「曖昧な判断基準や例外が多い業務では、設計が複雑になりやすく注意が必要です。」とあります。

弊社の整理では、取引先ごとに書式が違う書類の読み取り、決まりに当てはまらない件の判断、入力の誤りやマスタにない値の修正、画面の変更で止まったときの処理が、判断と例外の工程にあたります。

判断と例外が混ざる業務の行き先は RPAに向かない業務は誰が処理する?対象外になった後の行き先 に書いています。

エラーの通知を受けた後の作業

弊社が読んだ上位の記事は、エラーが起きたら通知を受け取れるように組むことを勧めるところで終わっています。

弊社の整理では、通知を受けた後、止まった件を確かめ、手で処理し、フローを直す作業は、社内の担当者に残ります。

通知を受けた担当者が、止まった件を確かめて手で処理し、フローを直すまで、その業務は止まります。画面の変更などでフローが止まるたびに、社内の担当者が直す作業が発生します。

弊社の整理では、フローを作った人しか直せない状態では、作った人の異動や退職で業務が止まりやすくなります。

フローの保守を外注して残るもの

残った工程を誰が持つかで行き先が分かれます。弊社の整理では次の3つがあります。

社内の担当者が続ける形は、判断の要らない定型の処理が中心で、例外が少なく、フローを直せる人が社内にいる場合に合います。

フローの作成と保守を外注する場合、作成と、止まったときの調査や修正を頼めます。止まった件の業務そのものを処理する契約は弊社が読んだ外注のページには出てこず、保守契約の範囲によっては例外の処理が社内の担当者に残ります。

残った工程の行き先と社内に残る作業
行き先判断と例外を処理する人社内に残る作業
社内の担当者が続ける社内の担当者例外の処理、フローの修正、作った人からの引き継ぎ
フローの作成と保守を外注する社内の担当者(保守契約の範囲による)例外の処理、修正の依頼、結果の確認
業務ごと預ける(AX BPO)弊社データの共有、成果物の受け取り、社内の権限が要る判断の確認

上記の表は弊社の整理です。フローの作成と保守を外注する場合に残る作業は、契約によって異なります。

業務ごとお預かりする行き先

弊社のAX BPOは、業務ごとお預かりする完全自動化の仕組みです。

Power Automateで組んだ部分も含めて業務ごと引き受けます。業務に合わせてAIエージェントやRPAなどを組み合わせて設計・構築し、判断と例外の処理、運用まで弊社が引き受けます。

業務のやり方が変わったときの設計の更新と稼働の監視も弊社が行うため、担当者の異動や退職で業務は止まりません。貴社が新しいツールを操作することはありません。電話応対のように即時の応答が要る業務は引き受けていません。

ご依頼から動き出すまでは5つの段階を踏みます。

  1. ご相談(無料): 業務の概要と困っている点を伺います。対象の業務が絞れていない段階でも構いません
  2. ヒアリング(1回・60分): 実務の担当者に、画面共有で今のやり方を見せていただきます
  3. お見積もり(翌営業日): その業務に今かかっている工数と費用と、導入後の月額を並べてお出しします
  4. テスト運用(2〜4週間): 弊社が実際に処理し、貴社は結果に間違いがないかを確認します
  5. 本番運用: 稼働を監視し、業務のやり方が変わったときは設計を更新します

貴社の作業は、今のやり方を画面共有で見せていただくことと、テスト運用の結果を確認いただくことの2つです。マニュアルや仕様書の作成はお願いしていません。

ヒアリングから最短1ヶ月で本番運用に入れます。AX BPOがどういうサービスかは AX BPOとは にまとめています。

よくある質問

Q. 承認待ちの処理は何日で切れますか

実行の継続時間の制限により、30 日後、すべての保留ステップがタイムアウトになります。承認などの保留中のステップを含むフローも含まれます。

Q. 要求数の上限を超えたらどうなるか

要求数の制限を一貫して 14 日間超えたクラウド フローは、システムがオフにします。現在はすべての組織が移行期間中で、公式制限とは別の値が適用されています。

Q. 無人実行にはどのライセンスが要るか

非アテンド型デスクトップ フローを含む Power Automate Process、または Hosted Process が要ります。

Q. フローを作り直さずに頼めますか

使い続けるか作り直すかは、業務ごとに判断します。

Q. 費用はどのくらいかかりますか

月額10万円から(目安)です。初期費用は原則かかりません。業務の内容と件数により異なりますが、設計・構築、ツールの利用料、運用保守、判断と例外の処理を月額に含みます。

残った工程を含めて引き受けます

判断と例外が残る業務をお預かりし、どの業務を自動化できるかのご相談から無料で承ります。

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監修

株式会社Generative Partners 代表取締役 黒﨑悠一

4社を創業し、2度のM&Aを経験。2021年に創業したWANDが東証プライム上場のファンコミュニケーションズのグループに入り、同社の執行役員を務めた。2026年にGenerative Partnersを創業し、9月にAX BPOの提供を始めた。

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